Chaton の ひとりごと


欧州の田舎と路地裏歩きが大好きな、お気楽chatonの独り言。一人さまよった旅の記録。                 
by merci-voyage
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TOSCANA ② July 2009

2009年7月26日(日)


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満天の星に包まれた
深い眠りから目覚めたのは
窓の向こうから聞こえる賑やかな小鳥のさえずり。
レースのカーテンの間からは
まぶしい光が差し込んでいます。
時計を見ると6:30。
なんて美しい朝なのでしょう!!!

ベッドから飛び起き、身支度を整えると
自転車の鍵を握り締め部屋を飛び出しました。
もっと早く起きればよかった。
太陽がドンドン高くなっていく気がします。
昨日見た風景も朝日のなかでは
全く違う陰影を魅せてくれます。
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ひんやりとした空気を
かすかに残した朝。
大聖堂の塔が真っ青な空にくっきりと。
うん・・・美しい。
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糸杉の並木道の間を
風を切って走り抜けます。
チョー気持ちいい!!!
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何処までも続くなだらかな丘。
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糸杉の影が、ほら。
あんなに長くのびています。
刈り込みの陰影と重なって
とても美しいのです。
ああ、写真じゃ伝えられない・・・。
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コロコロの向こうに
ピエンツァの町並。
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B&Bの朝食は10時まで。
部屋に戻ってシャワーを浴びて。
ぎりぎり朝食に間にあいました。
オーナーの優しい笑顔に迎えてもらう朝食は、
シンプルだけどとっても美味しい。
テーブルに並んだプルーンは庭先でとれたもの。

瑞々しくてシャリッとしてて、
甘いプルーン。
これがほんとのプルーンなんだ。。。
食べきれなかったプルーンはポケットに忍ばせて。
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ちょっと出発が遅くなったけど、
さあ、出発です。
BARでお水を買ってさっきのプルーンと一緒に
自転車の荷台に括りつけました。
今日はサンクイリコ・ドルチャまで片道10キロの道のりです。

右を見ても左を見ても
美しい風景が広がっていて、
あっちこち止まっては、うっとり。


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積み重なったコロコロに
つい寄り道・・・。
こっちの道もおもしろそう。

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この先にはオリーブ農家があるようです。
遠くに広がる丘と谷の美しさ。。。
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このあたりはずっと下り坂。
風を切って走る最高の爽快感!!!
頭の中をクイーンの
『Bicycle Race』が流れています。
Bicycle bicycle bicycle♪♪♪
I want to ride my bicycle bicycle bicycle♪

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で、その後は上り坂・・・。
炎天下の中、さすがに自転車マンの姿も
余り見かけません。
たまに出会う人たちはどの人も
軽々とchatonを追い越して行きます。
頑張れよって言ってくれてるのか、
みんな通り過ぎざまに声をかけてくれます。
お兄さんたちもきっとにわかサイクリスト。
ヒーヒー言ってこいでました。
うっし!!!頑張るぞ!!!
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休憩ばかりしていましたが、
やっとサンクイリコ・ドルチャに到着です!!!
何時間かかった?ほぼほぼ4時間か。。。
凄い達成感。
汗びちゃびちゃだけど凄い爽快感。
レストランの開いている時間に
何とか間にあいました。
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中世の姿を留めた小さな村。
サンクイリコ・ドルチャ。
この村もピエンツァ同様に
オルチャ渓谷の世界遺産の中に含まれています。
門を抜け濃い影の落ちた通りを進みます。
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たわわな花をバックに
ヴァレンティーニ号の撮影。
紫と白って言うのが涼しげ。

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ここは以前泊まったホテル。
冬でほとんどのホテルがお休みの中、
ここだけが営業していたのです。
スタッフが素晴らしく素敵なホテルでした。
テラコッタの植木鉢の下を良く見てください。
ライオン(ネコじゃないよね)の足がついているでしょ。
この地方の鉢にはこのライオンの足が
ついているものが多いのです。
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ロマネスクを残した美しい教会。
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相棒君がなかなかいい味を出してくれます。
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この町はローマへの巡礼路。
遥か、遥か遠い国からローマを目指しやってきた
多くの巡礼者達が
この風景を目にしたのです。
かの天正四少年もこの地を訪れ
ローマ法王からの使者に会ったと言うのです。
あの時代によくこんなところまで・・・。
おお、古の大ロマン。

興味のある方は
『クアトロ・ラガッツ』若桑みどり著
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とにかく座って休憩にしよう。
BARにはいると、
お店の人も加わって地元のおじさんたちが座談会。
誰もこっちを気にしてないし・・・。
で、勝手に商品飲んじゃうよ。
冷蔵庫を勝手に開けてコーラがぶ飲みの後は、
冷凍庫開けてアイスも食べちゃう。
勝手にやっておくれ状態。
まさにセルフサービスね。
自己申告で支払いを済ませると、
にっこり笑ってかわいいお店のカードをくれました。
ほったらかしBARと、
こ洒落たカードのギャップに笑ってしまった。。。


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町の中心、リベルタ広場の前には
美しい聖マリア教会。
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広場のBARでは、
おじさんの静かな午後。。。
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町をぐるりと囲む城塞に
シンボルのプレートが誇らしげです。
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ホントに綺麗なピンクだったのに
見事にピンボケ。
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見つけた時に感激の声が出てしまった。。。
ローマへの道案内。

ここはローマへの巡礼路であるとともに
体を休める宿場町でも有ったようです。
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元は病院であったという一郭。
今は住宅となっています。
冬に来た時にはこの一際古い一郭が
なんとも淋しげに見えたものです。
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古い古い井戸。
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この教会もロマネスク。
教会のあちこちに
ロマネスクでおなじみの
不思議な動物が描かれています。
これは期間限定のオブジェでしょうか。
新しいものでしょうね。

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ここは木陰も涼しげなトラットリア。
以前泊まったホテルの経営している
トラットリアで、美味しいと評判。
冬は休業と言う事で
本当に本当に残念だったけど無事リベンジ。

汗だくで、きちゃないchaton。。。
入るのにちょっとためらったけど、
自転車を店の前に止めて、
素敵な笑顔に迎えられて席に着きました。
まずは夏ならではのメロンと生ハム。
ワインは?って聞かれたけど
今日は自転車が待ってるもんね。
『今日は車だから。。。』って言って
自転車を指差したかったけど。
ジョークが通じなかったら淋しいので
グッとこらえました。。。
メロンも生ハムも当然のように
う・ま・い。


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メインはこの地方の名物。
『ピチ』です。
今日のソースは鴨のソース。
これが激うま!!!!
絶対お勧め。
ピチのこしも味わい深く
大満足のお味です。
それにボリュームもたっぷり。
さっきのメロンもたっぷりの量で
かなり満腹だったのですが、
ピチの余りの美味しさに
入る入る。。。
が、デザートは無理。


満腹のおなかを抱えて、
村の入口へ向います。
側にホテルをとっていたなら
間違いなくお昼寝タイムに突入しそうだけど。
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城壁の見晴塔でしょうか。
生い茂った蔦が暑さを
やわらげてくれる気がします。
気がするだけですけど・・・。
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で、ピエンツァに向います。
のぼりはゆっくり・・・。
美しい景色を眺めながら。
ここは映画「グラディエーター」の撮影に使われた場所らしい。
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白い雲が絵本のように
ぽっかりぽっかり浮かんで。
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自転車を止めては美しい風景にうっとり。
暑くて暑くて、休みながらじゃないと
とても前に進めない・・・。
強い日差しに霞んで見える風景を
よーく目を凝らして見てみると、
遠くにポッツリ小さな建物が。
あれ?
あれってあの白い教会じゃない?
そうトスカーナのポストカードに登場する
丘の上にぽつんと佇む小さな白い教会。

嘘みたい!!!

その教会が何処にあるのかも知らず、
車を利用するわけでもないchatonには
広いトスカーナの中でその教会を見ることなんて
絶対にありえないと思っていたのです。

嘘、嘘。嘘みたい!!!


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その教会は
谷と丘の遥か向こうに・・・。
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谷と丘の向こうに豆粒のように見える教会・・・。

ヴェレンティーニ号に鍵をかけると、
水を1本取り出し、白い教会を目指して
パサパサの細い道を下り始めました。

どうしてもあの教会へ行って見たい!!!
もし道が行き止まりだったら、
その時は戻ってくればいいんだ。。。

砂埃舞う小道を1歩1歩踏みしめて
坂道を下ります。
気をつけて歩かないと乾ききった土の道に
ずるっと足が滑ってしまいそうです。
遥か遥か遥か遠くに
カスティリョーネ・ドルチャの村が見えました。
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パサパサの大地にぽつんと1本の木。
パイナップルの木と名づけました。
広い大地にポツンと植えられた木は
土地の境界線の目印だそうです。
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細く頼りない道は途中で
道なのか轍なのか
わからなくなってしまいました。
誰かが踏みしめたような草の後を辿って
どんどん歩いていきます。
周りにはブンブンやらなんやら飛び回っていて
手を振り回して追い払うのですが
ブンブンも暑さから逃れようと思うのか
帽子のひさしの裏や耳の中まで入ってきます。

多分ここが谷底と言う場所にはちょろちょろと水が湧き出ていて
湿地のようになっていました。
足元に気を付けながら
今度はまた細い小道を砂埃を立てながら登っていきます。
途中から丘に阻まれて教会も見えなくなりました。
辺りにはまるっきり人影もなく、
風に揺れる草花のかすれるような音がするだけです。
強く照らす太陽だけが味方をしていてくれるような気がしました。


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砂埃の中をひたすら歩き続けて
顔をあげると遠くに糸杉が・・・。

この道は教会に続いてる!!!
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まるで絵のように美しい・・・。
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教会へのアプローチ。
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来た・・・来た。来た。
来た!!!
間違いなくここに立っている。
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周りに広がる丘を
1台のトラクターが耕しています。
人がいました。。。

真っ青な空。
ぽっかりと浮かぶ雲。
遥かかなたまで広がる丘。
首筋を抜ける爽やかな風。
聞こえてくるのは
トラクターのゴぅおお~ん。という音だけ。
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教会の裏手にまわってみると
遠くにピエンツァの村が見えます。
1台のトラクターが土ぼこりを巻き上げながら
上がったり下がったり。
ちょうど日陰になった教会裏の階段に座ってぼんやりしていると
chatonがやって来た方向とは反対側から
1台の車がやって来ました。
なにやら話し掛けて来たおじさんに
教会は閉まっているよ。と告げると、
本当に残念そうにして写真を沢山撮って、
ぶーんと走り去っていきました。
教会の裏側には車の走れる道が
ちゃんと続いているようでした。
(現在車は入れなくなっています)

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教会の横にある
なんだか分からない建物から
海水パンツ一枚のおじさんが出てきて
何処かに消えていきました。
あ、また人がいた。

トラクターの音がBGMのように流れています。

そしてまたしばらくすると
誰か来ます。。。
おお。同士だ。自転車だ!!!

背中にバックパッカーのいでたちの彼女は
凄い兵に違いありません。
あのワイルドさはアメリカ人か。。。
おお、尊敬の眼。。。凄い凄すぎる。

教会に着いた彼女は荷物を降ろすと
chatonにさらっと右手を上げて
挨拶をしてくれました。
そしてひとしきり教会の周りを歩き回った後
白い砂埃を立てながら
自転車に乗って走り去っていきました。

衝撃の出逢いでした。

このときは再び彼女に出会うなんて
想像だにしていなかったのですが。。。
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何事もなかったかのように、
静かな時間が流れていきます。
青いトラクターが上がったり、下がったり。

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すっかり居座ってしまった
教会裏の階段から重い腰をあげ、
教会の正面へ。

なんだか去りがたくて、
何枚も何枚も写真を撮りました。
教会の前の刈り取られた草っぱらに
足を踏み入れると
乾燥した茎がバリバリと音を立てました。

まん丸の窓にはどんなグラスが
埋め込まれているのでしょう。
固く閉ざされた教会のドアは
どんなタイミングで開かれるのでしょう。
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糸杉に守られた小さな教会。。。
少し斜めからみて見ると
雲が流れていくようです。
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ヴァレンティーニ号が待っている。
そろそろ帰ろうか・・・。
何度も振り返りながら教会を後にします。
思いもかけず出会った美しい風景・・・。
叶うはずのない夢が一つ叶いました。
旅の神様本当にありがとう。
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乾いた砂を踏みしめるじゃりじゃりという音が
太陽の暑い日差しに混ざって
chatonの体を包み込みます。
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下っていく坂道の向こうには
こんな風景が広がっていました。
c0269736_19324365.jpg
谷底と思われる場所にたどり着いたとき
あたりの枯れ草が勢いよく舞い上がりました。
とっさに体を小さくしてその場にうずくまりました。
一瞬の出来事でしたが
小さな竜巻が起きたのです。
近くの雑木林の木々の間を抜けたのでしょう。
木々が大きく揺らいでざわざわと音をたてました。

誰かがいるような気がしました。
何かのメッセージだったのでしょうか?

ひとつ谷を下りひとつ丘を登ると、
教会の姿が見えました。
もう一度目に焼き付けて
砂埃舞う坂道を歩きます。

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静かな午後にトラクターが
上がったり、下がったり。
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坂道を登りきると、
ヴァレンティーニ号が待っていました。
当たり前だけど何だか”ほっ。”
太陽に照り付けられて
サドルがギンギンに焼け付いていました。

ピエンツァまではほとんど上り坂。
まだまだ遠い。。。
進んでは休み、休んでは進み。
小さな影に座り込んだり・・・。
途中でchatonを追い抜いていった
本格的な自転車マンが、
折り返して走ってきました。
指先で手を振って笑っています。



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太陽が斜めに照らす夕暮れの頃、
きっと8時をまわっていたでしょう。
ピエンツァの村の入口の
案内板が見えました。
なんだかわからないけど、
”ありがとう”ってつぶやきました。

ペダルに強く力をこめます。
体中が満ち足りた気持ちに包まれていました。




B&Bに戻ると玄関横の食堂の電気がついていました。
庭に敷き詰められた砂利の大きな音に気が引けながら
自転車を裏庭に停めて庭にある水道で足を洗い、
玄関を開けるときには食堂の電気は消えていました。

ドアの向こうで自宅へ戻るオーナーの
バイクのエンジン音が響いて遠くに小さく消えていきました。




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by merci-voyage | 2009-07-26 00:00 | 【′09 7月】ギリシャ・イタリア・仏 | Comments(0)

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